「暴政――20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン」を読みました

 お久しぶりです。期末試験などの関係で、久しぶりのブログ更新になってしまいました。期末試験明けに本を読んでみたので、感想を書いていきます。

今回読んだ本はティモシー・スナイダー著 池田年穂訳『暴政――20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン』(慶應義塾大学出版会)です。

この本はタイトルからは独裁政治に関する学術書のように思えるのですが、新書サイズで、140ページくらいしかない短い本です。

 

暴政:20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン

暴政:20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン

 

 

 

全体主義政治に対抗するための20の教訓を20世紀の歴史からまとめたものです。例えば、第1の教訓は、「忖度による服従はするな」というもので、ナチス・ドイツによるオーストリア併合の際のオーストリア人がナチス・ドイツによる併合を進んで受け入れたエピソードを簡潔に紹介し、なぜ、このような教訓が得られるのかを紹介しています。

このような形で、20の教訓と20のエピソードが紹介されています。もちろんこの本で紹介されているエピソードはナチス・ドイツの出来事だけではありません。他にも、ソ連の出来事や、2016年のアメリカ大統領選挙の際のエピソードが紹介されています。

 

暴政に服従しないため、暴政に異議を申し立てることのできるための心構えとは何かということをこの本から学ぶことができました。つまり、自分の重要と考える価値観を貫き、自分で考え、周りの目を気にしないようになることです。

自分の重要と考える価値観を貫き通さなければ、当時の権威に流され、服従し、暴政を実行に移す一因となってしまいます。

自分で考えなければ、今起こっていることが、自分の利益になるのか検討することもできませんし、時の暴君の発するスローガンを信仰し、無批判に従うことになっていきます。

周りの目を気にすること特に自身の上位にある者の意図することを推し量って行動すると最悪です。その上位の者の利益にしかならないだけでなく、自身の利益にならないことすらあります。

暴政のもととなる出来事は身近なところで起こりますので、この本から学んだことを身につけ、実践していきたいと考えるようになりました。

 

暴政:20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン

暴政:20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン

 

 

 しかし、この本が日本で今になって出されたのが残念でなりません。というのも、この前の衆議院選挙が最後の選挙だったかもしれないからです。