法学入門のための本の紹介(5)

いわゆる上三法の紹介を終えましたが、今回から、いわゆる下四法(商法、民訴法、刑訴法、行政法)の入門のための本を紹介していきます。

 これらの法律科目は、おおむね大学の3年生の科目に配当されていることが多いのですが、大学の新入生が読んでも問題なさそうな入門書を紹介しています。

 今回紹介するのは商法なのですが、大学の科目では商法科目としては会社法がメインになります。そのため、ここでは、まず、会社法の入門書を紹介し、最後に商法、手形小切手法の本を紹介していきます。

 

会社法 <第20版> (法律学講座双書)

会社法 <第20版> (法律学講座双書)

 

 

 

 まず、会社法を大まかにつかみたいとのことでしたら、有斐閣ストゥディアの会社法をオススメします。この本は、会社法を学ぶ学部生に向けて書かれたもので、文章も平易で、内容も無図解しいことには突っ込んでいないからです。また、この本はロースクールの先生がオススメしており、法学部生に使わせるならこれがいいとのことでした。

 

会社法 (有斐閣ストゥディア)

会社法 (有斐閣ストゥディア)

 

 

もう一冊法学部生にお勧めするのであれば、岩波新書の『会社法入門 新版』もおすすめです。この本は大まかに会社法とは何か、会社法改正でどのように会社法は変わったのかを知るうえで非常に役に立ちます。また、この本は弁護士の先生もおすすめしており、法学部生が会社法を学ぶなら、この本に書かれていることを全部理解しておけばいいとのことでしたし、法学部に入って、この本は非常に役に立ちました。

 

会社法入門 新版 (岩波新書)

会社法入門 新版 (岩波新書)

 

 

 次に、会社に入ったので、会社の業務として法律を扱うために会社法を知りたいとのことで学び始めるのであれば、日経文庫の『会社法務入門』がオススメです。この本は、会社の企業法務に関わる事項に関して網羅的に記載してあり、分野ごとの解説も短く、簡潔に記載されています。少し前に紹介をしていたと思うので、そちらの記事もよければご覧ください。

 

会社法務入門<第4版> (日経文庫)

会社法務入門<第4版> (日経文庫)

 

 

 また、このような企業法務の観点からですと、企業法入門第5版もおすすめです。この本も、会社法だけでなく、民法、知的財産法などにわたって解説していますので、非常に役に立つのではないかと思います。

 

企業法入門 第5版

企業法入門 第5版

 

 

 これらが会社法の学習に役立つものです。

 次に、商法、手形小切手法をまとめて学ぶのであれば、新世社の『コンパクト商法総則・商行為法/手形・小切手法』がオススメです。この本は一冊にまとめてこれらの科目を学ぶことができますし、実際にロースクールの先輩にも使っている人はいました。

 

コンパクト商法総則・商行為法/手形・小切手法 (コンパクト法学ライブラリ)

コンパクト商法総則・商行為法/手形・小切手法 (コンパクト法学ライブラリ)

 

 

 また、僕が実際に読んだものですと、有斐閣アルマの『商法総則・商行為法[第二版]』がオススメです。この本は結構詳しく書かれていますし、非常に網羅性があり、役に立ちました。

 

商法総則・商行為法 第2版 (有斐閣アルマ)

商法総則・商行為法 第2版 (有斐閣アルマ)

 

 

 さらに手形小切手法ですと、全銀協のページにある「動物たちと学ぶ手形・小切手のはなし」 が手形小切手法を学ぶ上で非常に役に立ちます。この資料は、学部生の時の手形小切手法の授業の際に勧められ、非常に役に立ったことがあります。

 これらが、商法、手形小切手法の学習の入門に役に立つものです。

 これらの学習が済んだら、リーガルクエス会社法や、神田秀樹会社法などにチャレンジしてみましょう。

 

会社法 第4版 (LEGAL QUEST)

会社法 第4版 (LEGAL QUEST)

 

 

 

会社法 <第20版> (法律学講座双書)

会社法 <第20版> (法律学講座双書)

 

 

 (そろそろ、商法の一分野として資金決済法が入ってくるかもしれませんし、学習をしておくのもいいかもしれません。)

 

支払決済法〔第3版〕

支払決済法〔第3版〕