『性表現の自由』を読みました

『性表現の自由』を読みました。

最近では性表現を規制すべきとする意見と性表現を規制すべきでないという意見が対立しているようでしたので、読んでみました。

 

 

 

  この本は1986年に書かれたものですので、わりかし新しい問題であるアニメ規制についてはあまり書かれていませんが、性表現を規制すべきとする意見について、規制すべきでないとの観点から書かれています。

 その中で、青少年保護の観点から規制すべきとするとの考えや、フェミニズムの観点から規制すべきとする意見や、性犯罪の誘発という観点から規制すべきとする意見はあるものの、国家によって規制されるべきとする根拠としては不十分であると結論付けているようです。

 個人的にも性表現に関しては個人間での非難があっても、国家によって規制すべきであるとはほとんど考えていませんし、性表現規制について規制すべきでないとする意見の観点から参考になる本であると考えました。

 ただ、マッキノンのようなフェミニズムの観点からの性表現の規制についても再び検討し、再度の批判をする必要があるとも考えています(内容を精査する必要があるため)。フェミニズムの思想については法哲学にも引用されていますし、現代においてもマッキノンの主張は何度も繰り返されています。

 少なくとも法哲学を読む限り、彼女の言うポルノグラフィティに当たれば規制すべきと考える主張は自由を原則とする日本社会に適しないと考えていますし、少女漫画や、女性が自分で選んで男性にこびたような服装(どんな服装なのかは主観に基づくようである)をすることも禁止しているため、回りまわって女性の自由であるとか幸福を否定しているようにも見えます。そのため、自分の考えとしてはとりえません。