ロープラクティス民事訴訟法 基本問題42

主観的予備的併合と同時審判申出訴訟の問題である。

 

Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕

Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕

  • 作者:山本 和彦
  • 発売日: 2018/01/11
  • メディア: 単行本
 

 

 1.本件事案において、XはY1、Y2に順位をつけ主位的被告Y1に対する請求認容判決を解除条件として予備的被告Y2に対する訴えを提起しようとしているが、このような訴えが認められるか検討する。

 民事訴訟法136条によれば、訴えの併合を行うことはできるとされているものの、主位的被告に対する訴えが認められないことを理由として予備的被告に対する訴えを起こすようなことは、予備的被告にとって不意打ちとなるため、認められていない。

 本件事案において、XはY1に対する請求認容判決を解除条件として予備的被告Y2に対する訴えを請求しようとしているが、このような主観的予備的併合は、Y2に対する不意打ちとなるため、民事訴訟法上認められず、却下される。

 したがって、Xはこのような請求をすることはできない。

2.仮に、このような主張を行うとすれば、民事訴訟法38条に基づき共同訴訟を提起したうえで同時審判申出を行うべきである。