『物語 東ドイツの歴史』を読みました。

物語 東ドイツの歴史-分断国家の挑戦と挫折 (中公新書)』を読みました。

 

  東ドイツといえば、東西冷戦時代の社会主義国として知られています。そのため、東ドイツは監視体制がきつく、国民は弾圧され、貧しい生活を強いられているというイメージがあると思います。

 しかし、この本は東ドイツの社会体制について批判的に見つつも、そのイメージは必ずしも当たっていないことを明らかにしてくれました。

 確かに、この本に書かれている通り、東ドイツには国民の監視をする組織としてシュタージがおかれており、1980年代には経済が衰退したという事実はある。

 しかし、国民は政府に対して請願を通じて自由に批判することもできたし、1960年代後半くらいから、西ドイツの経済に追いつくために頑張った結果、経済状態も良くなったという歴史や、西ドイツなどの西側諸国の商品を特別に設置された商店から購入することによりある程度の贅沢もできたという事情もあり、国民の生活は必ずしも窮屈ではなかったようです。

  私としてはこのような東ドイツの歴史というものは意外であり、西ドイツとの統一を語るうえで欠かせないなと思いました。

 

 東ドイツの歴史や文化を知るうえでこれらの映画も面白いと評判ですので見てみたいです。