『裁判官だから書ける イマドキの裁判』を読みました。

裁判官だから書ける イマドキの裁判 (岩波ブックレット)』を読みました。

 

 

 この本は最近の裁判についての30個の時事問題について裁判官の視点から書いた本です。

この時事問題は法律家以外の読者にとって興味関心のある問題から選ばれていますので、大変興味深く読むことができます。例えば、「同性同士でも不倫になるの?」とか、「裁判でのセクハラやパワハラの立証は難しいのでしょうか?」とか、「性犯罪について無罪判決が多いように思いますが、裁判官は性犯罪に鈍感なのでは?」といった質問があり、。これらについての裁判官の回答が書かれています。

わたしにとって非常に興味深かったのは、「新型コロナ禍の、裁判所への影響は?」という質問についての回答でした。例えば、一旦DVなどの緊急性を要する裁判についてのみ通常通り実施して、その他の裁判について期日を停止させていたということです。このことは裁判が停止されているらしいということは聞いていたのですが、緊急性のあるものについては通常通りというのは意外と柔軟な対応をしているなと分かりました。

また、裁判の期日についてもマスクを着用して実施することになったため、証人の表情が分からず裁判官も検察官も弁護士も困っているという実態があるという点も、しょせんマスクをつけるだけだから、大した問題なんてないだろうと考えていた自分にとって非常に意外でした。

 

 

裁判官の仕事についていくつかありますので、これらも読んでみるのもどうでしょうか?