ロープラクティス民事訴訟法 基本問題21

ロープラクティス民事訴訟法の基本問題21を解いていきます。

この問題は自白の撤回に関するものです。

 

Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕

Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕

  • 作者:山本 和彦
  • 発売日: 2018/01/11
  • メディア: 単行本
 

 

 1.弁論主義の第二テーゼは裁判所の事実認定は当事者の自白に拘束されるというものである。また、自白した事実について自由に撤回ができるとすると当事者に不意打ちを与えることになるため、錯誤に基づいて自白を行ったことと、その自白が煩真実であるということを証明しなければならないとされる。

 本件事案において、YはXより請負契約に基づく報酬支払請求の訴えを提起されている。この訴訟の中で、Yは水回り工事が完了し引き渡しを受けたとの事実を認めることにより、Xの請求を基礎づける引渡しの事実を認めた。そのため、引き渡しの事実について自白が成立しているということができる。

 しかし、後に洗面所の工事が未完成であることが判明しているため、Yの自白が事実に反することが判明している。そのため、Yはこの洗面所の工事が未完成であり、引き渡しを受けていないという事実を証明するとともに、Yの自白は錯誤に基づくものであることを主張しなければならない。

2.よって、Yは洗面所の工事が未完成であるとの事実を主張するとともに、Yの主張が錯誤によるものであることを主張しなければならない。