『馬は語る』(岩波新書)を読みました

『馬は語る―人間・家畜・自然 』 読みました。

 ウマ娘や競馬が最近面白いので馬についての基礎知識を得るために読んでみました。

 

馬は語る―人間・家畜・自然 (岩波新書 黄版)

馬は語る―人間・家畜・自然 (岩波新書 黄版)

  • 作者:沢崎 坦
  • 発売日: 1987/05/20
  • メディア: 新書
 

 

 この本は日本の馬の生態、馬、競馬の歴史、家畜としての馬の生態や生育過程について簡潔に知ることができます。

ただ、発行年が1987年なので、母馬が死んだり育児放棄された場合の仔馬の死や育成の困難についてだといったことなどは、馬の育成技術の変化で変わっているなと思う点もあります。スペシャルウィーク号の母馬はスペシャルウィーク号の出生後死亡しているけれどもスペシャルウィーク号はその後も元気に育ち、ダービー馬になっていますので、母馬の死亡、育児放棄があっても仔馬を育てることのできる技術が改良されています。

 このような技術改良についても今後改良していくかもしれませんし、白毛のG1馬ソダシ号によって、今後も馬の生態や生育技術についての知見が深まっていくかもしれません。

 そのほかにも個人的に興味深かった点としては、競馬法の制定過程について簡単に知ることができる点です。日清戦争の後、日本で強い馬が居ないということが分かったことから、アラブ系サラブレット系の馬を育てるため、そのための資金を確保するために競馬法が制定されたという立法過程があるということです。戦後はこの戦争のために強い馬を作るという目的ではなく、スポーツとしての競馬を公営、国営で実施するための法律に改正されています。

このように、馬という生き物はどういうものかということについて知りたい、馬の育成に関する技術改良の一端を知りたい、競馬に関しての法律の制定や変化について知りたいということにこたえてくれる一冊でした。