『新版主権者はきみだ』を読みました

新版 主権者はきみだ: 憲法のわかる50話 (岩波ジュニア新書) を読みました。

主権者教育にとって使えるのではないかと思って手に取ってみたので読んでみました。

 

 

 この本は1997年に出版された本ですので、情報公開法や裁判員制度がない時代に書かれています。そのため、内容が古い部分もあるのですが、男女差別や夫婦別姓に関するいまにも通じるような話がたくさんあり、男女差別や夫婦別姓について問題意識を持ったり、どの様な点から問題になっているのか考えるためにも有益な本であると思いました。

 そのため、この本は小中学生、高校生の主権者教育にも役立つのではないかと思いました。

 また、この本は芦部憲法と同じような体系順に並んで50の話題が取り上げられていますので、憲法額を学ぶ上でも有用です。この本をきっかけに憲法について学んでみるのもよいのではないでしょうか。

 個人的に印象に残ったのは、50話目の「主権者はきみだ」という話です。この話では、薬害エイズ事件の被害に遭い19歳で被害者となり、国に薬害エイズの加害責任を追及し続けた川田龍平さんのお話や、沖縄総決起集会で反戦を呼び掛けた普天間高校三年生のお話を取り上げ、未成年でも世の中を動かすことができるということを伝えていたことです。

 最近18歳以上の人に選挙権が与えられるようになりましたが、18歳の若者(もう18歳を未成年者と呼ぶべきではないでしょう)でも世の中を変えることができる、という当たり前のことができる世の中にするためにこの本を手に取ってほしいものです。

(あと、「出羽守」というツイッターでよく見かける欧米諸国を持ち上げ日本をけなすことしかしない学者に対する蔑称も30年近く前にすでにあったということは驚きました。これはこの本の2話目に取り上げられています。)

 

 

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