『ハーバード流交渉術』(知的生きかた文庫)を読みました

フィッシャー&ユーリー著金山宜夫、浅井和子訳『ハーバード流交渉術-イエスといわせる方法』(知的生きかた文庫)を読みました。

和解論などの参考になるかと思って読み始めました。

 

 この本は、自分の意見を押し通させる『ハード型』交渉や、相手の意見を丸呑みする『ソフト型』、自分の立場に立った意見だけを主張する立場駆け引き型交渉術によるものではなく、ハーバード流の交渉術である原則立脚型交渉術について説明した本です。

 この交渉術の原則としては、①人と問題を分離せよ、②立場ではなく利害に焦点を合わせよ、③行動について決定する前に多くの可能性を考え出せ、④結果はあくまでも客観的基準によることを強調せよという原則に立つことが挙げられています。

 そのうえで、なぜそのような主張を行っているのか調べ、検討し、共通の利害を見出し、その共通の利害を確保するよう別の観点から交渉をまとめ、問題を解決するべきであると説かれています。

 さらに、交渉をまとめる際の利害の発見の際も、相手の顔を立て、問題解決の方法についても、公正な手段で行うよう説かれています。

 このような交渉の作法、方法というものは基本的なもの、感覚的にわかるものかもしれませんが、ウイン、ウインにするための交渉という発想はなかったため、非常に参考になりました。

 また、この本については、『Noといわせない交渉術』などの続編があるため、そちらも読んでみたいです。