関根諒介著『倒産したときの話をしようか』(freee出版)を読みました。

関根諒介著『倒産したときの話をしようか』(freee出版)を読みました。

倒産法の勉強のネタになるかと思ったため読んでみました。

 

 

 この本は会社を倒産させた8人の社長の話をまとめた本です。8人の社長の話以外に倒産後の会社経営の再チャレンジに関する社会的な取り組みについても書かれています。

 そのため、これから会社経営をしようとする人にとってどのように経営するかということの参考になるかと思います。

 ただし、この本に書かれているのは、会社の金を横領し、粉飾決算をして会社を倒産させたといったような明確な悪の社長みたいな事例は登場しません。この本の中で触れられているのは、どの様な商品を売るか考え、それを基に会社を経営し、しかし、商品が売れなくなったり、新規事業の開始に失敗したりして会社を倒産させたという事例が多いです。

 そのため、倒産という事情を悪として見るのではなく、会社経営を行っていくうえでよく発生するものとして見ることができます。

 また、この本では、倒産を「悪」として考えていません。むしろ、次の会社の経営に生かすチャンスととらえ、再チャレンジを促す内容となっています。この本に登場する社長たちも、会社を倒産させた後、新たな事業を起こし、失敗を学びに代えようとしていました。

 この本には、弁護士による倒産法の解説もあるのですが、倒産は悪いものではないと解説されています。むしろ、倒産法では倒産手続きは再生のための手続きであるとしています。そのため、倒産に対する見方を変えることができる内容となっています。