司法修習の感想(民事弁護の白表紙について)
民事弁護の白表紙について、修習の過程のどこで使ったのか、どこで役に立つのかを書いておきます。
弁護士になるなら、修習後も使う本が多いのではないかなと思います。
白表紙以外にも参考になった本はたくさんあるのですが、司法修習に関係があった2冊に絞って紹介しておきます。
(赤本とか緑本とか事例に学ぶ○○入門シリーズとかも紹介したいのですが割愛します。)
白表紙
『民事弁護教材民事保全』・『民事弁護教材民事執行』
→絶対に捨てるな
民事保全と民事執行について解説した本なのですが、この本に書かれている担保基準が重要です(一度捨てたら手に入れにくいし、この本にしか情報がない)。弁護士、裁判官になる人はこの担保基準を見るときに参考にしますので捨てないように。
修習の中だと、導入修習や、民事裁判の実務修習、二回試験試験勉強に使います。弁護修習では・・・執行、保全に関わる事件がない限り使わないかなあ
『民事弁護の手引き』
→民事弁護活動をどのように行うか書かれた本です。
民事弁護起案の際の書式集にもなっているので、即日起案や二回試験の直前には見直して読みました。
修習中だと、指導担当から課題が出されたときに参照するという感じでしょうか。繰り返し読みましょう。
『民事弁護における立証活動』
→民事弁護の際の証拠収集方法について書かれた本です。
登記のとり方などについては、この本に書かれていますので、登記のとり方が気になった場合には、この本を参考にしましょう。
修習中にこの本を見る場面としては、実務修習中に弁護士がどうやって証拠を集めているか復習するために使うといいと思います。
『解説弁護士職務基本規定』
→弁護士倫理について書かれた本です。
導入修習や集合修習で弁護士倫理の講義がありますので、そこで参照します。
実務修習では使う場面を見ないかなあという感じです(これを使うであろう綱紀委員会とかは修習生の見学を許さないだろうし)。
ただ、弁護士になった時には、この弁護士倫理について考えるために、参考にしましょう。
『民事弁護実務の基礎~はじめての和解条項~』
→和解について書かれたプリントです。
導入修習の授業や、集合修習の授業で使います。
これを挙げているのは、二回試験で使うためです。
民事弁護で和解から出題される場合もあるので、和解条項をどう書くかということは、このプリントから学んでください。
『知って守って下請法』『下請け取引適正化推進講習会テキスト』
→下請法について書かれた本です。
修習中だと、集合修習の契約書審査の講義で使います。
それ以外の場面ではほとんど使いません。ただ、捨てるのはもったいない気がするんだよな・・・
白表紙以外
『実践演習民事弁護起案』
→民事弁護起案のための演習書です。
二回試験の民事弁護起案に不安があったり、起案をどう書いたらよくなるかということを参考にするために買って読んでおくといいと思います。
(弁護士の先生たちも自分の起案をよくするために買って読んでいるみたいです)
いい起案だけでなく、書きがちなダメな起案についても載っているので、このダメな起案にならないようこの本をしっかり読むといいと思います。
『書記官事務を中心とした和解条項に関する実証的研究』
→和解に関して書かれた本です。
はじめての和解条項よりも和解について詳しく書かれた本です。
白表紙にない類型の和解についてはこれを参考にしながら和解条項を考えるといいと思います。ただ、司法修習でははじめての和解条項に書かれている内容で足りると思います。
ネット通販では手に入らないと思った方がいいです。
(画像としては、この貼り付けたリンクにある本なのですが、司法研修所の本屋で手に入れるといいと思います。そちらの方が2000円程度と圧倒的に安いですし。)
その他リンクだけ