環境法まとめメモ(3)

環境法の基本的なメカニズムに関する部分をまとめていきます。

参考にしているのは環境法(第2版) 有斐閣ストゥディアです。

 

 

環境法(第2版) 有斐閣ストゥディア

環境法(第2版) 有斐閣ストゥディア

 

 

 法律によってできること

①強制(行政処分や刑罰)

②誘導(補助金や表彰)

 個別の環境法で注目すべき点

 1.何のための法律なのか(目的)

2.何に対して・誰に対してのものなのか(対象)

3.何を求めるのか(内容)

4.どのように対して実現するのか(手法)

個別の法律の内容について着目すべき点

 規制の範囲

→地域、行為、項目によって限定される

 地域については法律ならば、日本全国が対象となる。条例ならば、地方自治体が対象となる。

 行為については、行為者はだれなのかが限定されている。事業者一般なのか、事業者のうちの特定の事業者なのかといったようなこと。

 項目については、法律でどのような汚染物質が対象となっているのかといったことが規定されている。

どの程度守らせるか

→数値化できる場合と数値化できない場合がある。

 環境法規には、物質の排出量制限として数値化できる場合には○○mg/lといったような規定がある。

 排出量制限として数値化できない場合には、個別具体的な事情を見て決める。これは、景観に関するものや、自然環境保護に関するものが多い。

義務付ける仕組み

 許可制(あらかじめ基準を決めておいて、個別の申請がそれに適合しているかを確認し、認めるか認めないかを決定する仕組み)

 届出制(一定事項を行政に届け出てもらって、行政がその内容を審査し、基準が満たせそうにないと考えるときは、内容の変更を命じたりするもの、内容の変更を求める権限がないものもある)

 経済的な誘導(補助金や税の減額により望ましいと思われる方向に誘導するもの)

 表彰(優良事業者として情報提供を行うことによって、望ましいと思われる方向に誘導するもの)

 行政契約(法律の規制とは別に、事業者と行政の契約により法律より厳しい基準を達成させるもの)

 行政調査(事業者などが法律を守っているか調査するもの、この調査にもとづいて行政処分を行う。ただし、適正手続きが要請されることがある。)

違反の是正のための仕組み

行政指導(任意のお願いにより、違反を是正させる仕組み)

不利益処分(強制力によって、一定の内容を実現させるもの)

行政代執行(事業者などが実行しなかった行為を行政が変わって実行するもの)

刑罰(違反者の刑事責任を問うもの)

許可取り消し(与えられた許可を取り消し、許可された事業を行うことができないようにさせること)

制裁としての公表(悪いことをしたものとして、情報提供を行うこと)

市民参加

  環境法には市民が監視を行うことによって、法律の目的を実現させることを考えているものがある。

 そのため、市民への情報提供、地域指定などの際の意見聴取、行政に代わって監視活動を行うといった制度がある。