和解契約の解除についての問題である。
1.Xは和解契約の解除を理由として売買代金支払い請求に関する再訴を提起しているものの、Yはこの後訴が民事訴訟法142条の重複基礎の禁止に該当するため、却下されるべきであると主張している。そのため、このようなYの主張が認められるか検討する。
民事訴訟法142条が重複基礎を禁止しているのは、既判力の矛盾抵触の防止と、相手の応訴の負担の軽減と、訴訟経済の確保であるとされている。
Xの前訴は売買契約に基づく売買代金支払い請求であるが、後訴も同一の訴訟物であるといえそうである。しかし訴訟上の和解が成立した場合の民事訴訟法267条、114条1項に基づく既判力は無効となると解されている。そのため、和解契約を解除して再訴を提起した場合、既判力の矛盾衝突が起こることはない。
そのため、民事訴訟法142条により禁止される重複訴訟に当たらないといえ、Yの主張は認められない。
2.次に、Yが和解の効力の無効を主張する方法として、民事訴訟法93条1項に基づき期日指定申し立てをすることによる口頭弁論の再開を主張することが考えられる。この場合、重複訴訟にもならないため、適法に訴えを提起することができる。
(訴訟終了効を前提として議論すべきらしい。そのため、最初から最後まで間違えている。)