『ルールの世界史』(日本経済新聞社)を読んでみました

東毅著『ルールの世界史』(日本経済新聞社)を読んでみました。

書店に平積みにされており、ルールメイキングやイノベーションを促す法律に興味があったので読んでみました。

 

 この本はルールの制定過程特に、イノベーションに関わったルールを取り上げることによって、どの様なルールを作ってイノベーションを促すか、あるいは、どの様なルールが作られてしまうのイノベーションが阻害されるかを技術開発の歴史から紐解いていく本です。

 また、この本では、スポーツのルールから、会社法独占禁止法特許法などの歴史に触れられており、これらの法律の制定過程に関して学ぶ上でも非常に参考になる内容でした。ルールメイキングを考える際にどのようなルールを作ってしまったらイノベーションを阻害してしまうのか、あるいは、どの様なルールを作れば楽しく快適に技術開発を行うことができるか考えるべきで、単に規制をかけるのではいけないと思いました。

 個人的に興味深いと思った内容はコラム部分に書かれている内容で、その国の任期のスポーツからその国の人の制定するルールの内容、気質、傾向を読み解くものでした。例えば、イギリス人はゴルフを始めているが、ゴルフというものは最低の打数でゴールを目指すスポーツであるから、イギリス的な合理主義的な考え方となじむとか、日本の相撲は礼儀を重んじるため、日本の品格を重視する気質となじむとかルールに対する見方、気質の違いを学ぶ上で非常に参考になりました。