ファラデー著『ロウソクの科学』を読みました
科学的な知見を学ぶ上でこれがいいとのことでしたので、ファラデー著竹内敬人訳『ロウソクの科学』(岩波文庫)を読みました。
子どもたちも自由研究をする時期でしょうし、科学的な考え方を身に着けるうえでいいのではないかと思い読み始めました。
この本はマイケル・ファラデー1827年のクリスマス講演で話した内容を文書化した本です。このクリスマス講演というものは、ファラデーが王立協会会員のファラデーが少年少女に向けて、一本のロウソクにまつわる科学的な事象を説明したものです。
非常に興味深かったのは、この講演の中で、まるでマジシャンがマジックを披露するように実験を行い、そこから得られた事象について考察しているところです。
この実験を行う目的というものはおそらく二つあり、まず、科学者が実験によって、どの様に事象を観察し、どの様に考察を行うかということを学ぶようにすることが考えられます。というのも、ファラデーは著書の中で、例えば、ロウソクのように燃える炎を上げて燃えるものと、炎なしで燃えるものを比較して見せるにあたり、なぜこのような実験を行うのか説明しつつ実験を行っているからです。
もう一つは、興味をもって理科教育を行うことにあったのではないかということです。というのも、ファラデーは理科教育が不十分であった時代に、理科教育の必要性を説いた人物でもあり、どの様にすれば、理科、科学に関心を持ってもらえるかということに関心があったと考えられるためです。
これらのことから、理科について関心のある小中学生にとって、この本は読みやすい内容となっていると考えられますし、理科教育を行う先生方にとっても良い内容となっているのではないかと思われます。
今の時期は夏休みですし、自由研究の参考図書や夏休みの読書感想文としてもこの本は、いい内容となっているのではないかと思われます。
岩波文庫のように手に取るにはハードルが高いような本ではないバージョンのものもあります。こちらのバージョンも手に取ってみてはいかがでしょうか。