ロープラクティス民事訴訟法 基本問題44

補助参加の利益についての問題です

 

Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕

Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕

  • 作者:山本 和彦
  • 発売日: 2018/01/11
  • メディア: 単行本
 

 

 1.民事訴訟法42条によれば、補助参加を行うためには、訴訟の結果について利害関係を有しているといえなければならないと規定されている。この利害関係を有しているとは、判決主文や判決理由中の判断について法律上の利害関係を有しているといえることを指す。

(1)本件事案におけるBは機体の製造者であり、航空事故が航空機の欠陥によって発生したと認定された場合、Yに対して債務不履行に基づく損害賠償責任を負う可能性がある。そのため、BはYに対して法律上の利害関係を有しているといえ、民事訴訟法42条の補助参加の利益が認められる。

(2)本件事案におけるCは機体の設計者であるが、航空事故が航空機の構造的欠陥によって発生したと認められた場合、Yに対して債務不履行に基づく損害賠償責任を負う可能性がある。そのため、CはYに対して法律上の利害関係を有しているということができ、民事訴訟法42条の補助参加の利益が認められる。

(3)本件事案におけるEはXと同じ航空機事故によって死亡したDの遺族であるものの、XとEの訴えは全く別の訴えであり、Xの訴えが認容されたとしても、Eの請求が認められるための理由の一つとしかならず、事実上の影響力しか及ぼさない。そのため、EはXに対して民事訴訟法42条の補助参加の利益が認められない。

2.したがって、BCには補助参加の利益が認められるものの、Eには認められない。