ロープラクティス民事訴訟法 基本問題3

ロープラクティス民事訴訟法の基本問題3を解いていきます。

この問題は裁判官の忌避に関する問題です。

 

Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕

Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕

  • 作者:山本 和彦
  • 発売日: 2018/01/11
  • メディア: 単行本
 

 

 1.民事訴訟法312条2項2号によれば、法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与した場合上告が認められるとされる。さらに、法律により裁判官が判決に関与することができない場合として、民事訴訟法24条1項に忌避事由が規定されている。そのため、Xの主張する事実が、民事訴訟法24条1項の忌避事由に該当するか検討する。

 民事訴訟法24条1項によれば、忌避事由が認められるのは、裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情がある場合でなければならないとされる。

 本件事案において、Xが忌避事由として主張しているのは、Yの代理人Cが控訴審裁判官Bの義理の息子であったということである。このことから、Bが親族の情としてCの側を勝たせる可能性がある。

 しかし、このような親族の情というものはBについて法律上の利害関係に関わるものではなく、また、BとYとの間に何ら利害関係がない。そのため、単にYの代理人CとBが親族であるとしてもそれだけで裁判の公正を妨げる事情があるとは認められない。

 したがって、民事訴訟法24条1項の忌避事由は認められない。

2.そのため、民事訴訟法312条2項2号の上告事由は存在しないため、Xの上告は認められない。

以上