ロープラクティス民事訴訟法 基本問題14

ロープラクティス民事訴訟法の基本問題14を解いていきます。

この問題は訴えの取り下げに関する問題です。

 

Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕

Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕

  • 作者:山本 和彦
  • 発売日: 2018/01/11
  • メディア: 単行本
 

 

 1.民事訴訟法261条1項によれば、判決の確定前であれば、訴えの取り下げができるとされている。ただし、この訴えの取り下げは、刑事上罰すべき行為により行われていた場合、無効となると解されている。これは、意思表示が無効であるという理由からではなく、このような訴えの取り下げについて効力を認めると、手続的正義に反するからであるとされる。

 本件事案において、XはYから脅迫されて作成したと主張しており、裁判所も脅迫されて作成したとの心証を抱いている。脅迫というものは刑法222条により刑罰の対象となっていることから、Xは刑事上罰すべき行為により訴えの取り下げを行った者であるということができる。

2.したがって、Xの訴えの取り下げは無効であり、訴えの取り下げに効力は生じない。