『あなたのそして私の夢が走っています』を読みました

杉本清『あなたのそして私の夢が走っています』 (双葉社)を読みました。

 読みたい本として競馬の本がいくつかたまっていたので、今回は「競馬実況の神様」杉本清の『あなたのそして私の夢が走っています』を読んでみたので感想を書いていきます。

 

 

 この本は、「競馬実況の神様」といわれる杉本清がこれまでの競馬実況を振り返りながら、実況をしながら考えていたこと、競馬実況を始めるきっかけになったこと、どのようにして競馬その名文句が生まれたのかまとめられています。

たとえば、ウマ娘から競馬について興味を持ち、宝塚記念の実況を見ながらよく聞いたであろうフレーズの「あなたのそして私の夢が走っています」というフレーズについても、なぜこのようなフレーズが出てきたのか、このフレーズに込められた意図はどういうものなのかが説明されています。

 実は、この「あなたのそして私の夢が走っています」というフレーズが生まれた背景について、カンテレ競馬のyoutubeチャンネルで杉本清本人が語っていたのを聞いたことがあったので、やはりそうかと思いながら読んでいたのですが、同時に、話が面白い人、上手い人は何か印象的なエピソードを一つ持っていて、そのエピソードを金太郎あめのように語るなぁとも感じてしまいました。

というのも、『刑事弁護人』の著者である亀石倫子弁護士の講演会でGPS事件についての話を聞いた時も、著書の中に書いたことと全く同じことを話していましたし、『不法行為法』の著者である窪田先生も、著書に書かれている例えば、鯛の小骨事件の内容そのままのエピソードをそのまま授業で話しているというのを見ていたからです。

自分も話がうまくなるためには、杉本アナウンサー、亀石弁護士、窪田先生のように何か印象的なエピソードを持ち、それを金太郎あめのように話すということをできるようにならないとなと感じています。

また、ほかにも、杉本清は著書の中で、名文句といえるようなものは用意していたものではなく、突然口をついて出たものが意外と受けが良かったというようなことを書いていました。このことも、カンテレ競馬のチャンネルで吉原功兼アナウンサーに言い聞かせつつ(説教しつつ?)話されていて、おもしろい実況、面白い競馬実況を作るためには、準備も必要だけども反射的に出た言葉、フレーズが重要だなと思い知らされました。

 

www.youtube.com

 

 直観であるとか、自分の口から不意に出た言葉を大切にしつつ(弁護士としてなら警戒しつつなのでしょうか?)他の人を喜ばせるように話をしたいと思えるようになりました。