ロープラクティス民事訴訟法 発展問題18

入会権に関する固有必要的共同訴訟の問題です

 

Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕

Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕

  • 作者:山本 和彦
  • 発売日: 2018/01/11
  • メディア: 単行本
 

 

 1.まず、Xらの入会権確認訴訟が固有必要的共同訴訟であるか検討する。

(1)民事訴訟法40条1項によれば、訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一に確定すべき場合には固有必要的共同訴訟でなければならないとされる。

 入会権は、入会の構成員全員に総有的に帰属しているのであるから、全員が行使しなければならず、構成員全員による訴えが提起されなければならない。そのため、入会権確認訴訟は固有必要的共同訴訟であるといえる。

(2)そのため、XらはYに対して入会権確認訴訟を全員で訴えなければならない。

2.次に、入会の構成員全員が原告となっていない場合でも、残りの構成員を被告として訴えることができ、この場合には、共同訴訟人全員に対する訴えが提起されているといえる。

 本件事案において、Xらは、Yに対して入会の構成員全員で入会権確認請求を行おうとしているものの、ZらはXらの主張に同調せず、訴えを提起していない。このように同調しないものがいるために訴えを提起できなくなるとXらの不利益となるため、Zを被告に加えて訴えを提起することができる。

3.したがって、Xらは、Yだけでなく、Zらも被告とすることで適法に入会権確認訴訟を提起することができる。

以上