ロープラクティス民事訴訟法 基本問題45

参加的効力に関する問題です。

 

Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕

Law Practice 民事訴訟法〔第3版〕

  • 作者:山本 和彦
  • 発売日: 2018/01/11
  • メディア: 単行本
 

 

 1.参加的効力とは補助参加の結果敗訴した場合の敗訴当事者に対する事実上の拘束力を指す。民事訴訟法46条によれば、民事訴訟法46条各号の場合を除いて補助参加人に対して効力を有するとされる。

 本件事案において、XはYに民事訴訟法42条に基づき補助参加しており、更にYはXに敗訴している。さらに、民事訴訟法46条に規定されるような事情もないため、民事訴訟法46条に基づきXに対してもAY間訴訟の参加的効力は及んでいるということができる。

2.参加的効力とは、訴訟参加の機会があったことを理由とする訴訟の結果に対する自己責任であり、主文のみでなく、判決理由中の判断にも生じる。

 AY間の訴訟におけるXが所有しているとの事実認定は主文に含まれた判断ではなく、判決理由中の判断であるため、後訴においても建物所有の事実について前訴の参加的効力に拘束される。にもかかわらず、建物の所有権はAではなくXにあると主張しているため、前訴の参加的効力と矛盾した判断をしているといえる。

3.そのため、Xの請求は認められない。

以上