マシュー・サイド著『失敗の科学』(ディスカバー・トゥエンティワン)を読みました。

マシュー・サイド著『失敗の科学』(ディスカバー・トゥエンティワン)を読みました。

この本は知り合いから収集中に読むのがおすすめだよと言われたため読んでみました。

 

 この本は失敗に対してどのように向き合うべきかを解説した本です。

 まず、この本では、医療業界ではミスが繰り返され、航空業界ではミスが繰り返されないのはなぜなのかということが説明されています。その説明によれば、医療業界ではミスがあった場合、そのミスの原因を分析せずミスはなかったとしてミスに向き合うことなく処理してしまう一方、航空業界はミスがあった場合、ミスをした人物をとがめることをせず、ブラックボックスなどの客観的証拠から、ミスの原因を突き止め、ミスをなくすよう改善していっているためであると説明されています。

 また、ミスの向き合い方として、どの様に改善したかを見るだけでは、上手くいかないことも説明されています。というのも、改善策を行った場合と改善策を行わなかった場合の比較がないため、果たして正しい対策が取られたのか分析することができなくなるとされています。そのため、改善策を取る群と取らない群に分けるという「ランダム化比較試験」というのを取るとよく、これで分析することができると説明しています。

 さらに、興味深かったのは、失敗を多くすることで、失敗しない一番うまくいく判断をすることができるとされていたことです。なので、成功するために、失敗を多くし、失敗の原因を分析し、成功に結び付けたいと考えるようになりました。

 あとは、刑事処遇や死刑の効果、冤罪を繰り返しちゃう刑事裁判と検察官についても書かれている点は法曹になろうとする者として興味深かったです。