ロープラクティス商法 事例13

司法試験の合格発表がありましたね、司法試験に合格した方はおめでとうございます。

わたしは、先輩方のように合格するために勉強しなければいけませんね。

 

Law Practice 商法〔第3版〕

Law Practice 商法〔第3版〕

 

 

 

下書き

設問(1)

会社法127条によれば、株主は株式を自由に譲渡することができるとされている

ただし、会社法10711号によれば、定款で株式の譲渡について会社の承認を要することを決めることができる。

ただし、この「譲渡」には包括承継は含まれないと解されている。なぜなら、会社法174条の規定から会社の譲渡制限付株式について、包括承継については譲渡制限に服さないと考えられているからである。

→本件事案において、Cの有する株式について、吸収分割の方法により、Y1に株式が移転しているが、このような株式の移転は包括承継による株式の移転であるため、譲渡制限に服しない。

 そのため、Xは譲渡の無効を主張できない

設問(2

会社法175条によれば、相続人への譲渡株式について、定款の定めがあれば会社に対して売渡の請求することができるとされている。

ただし、会社法1751項柱書によれば、会社法3093号による株主総会の特別決議を行う必要がある。

→本件事案において、X社は会社法174条の規定通り、相続人等に対する売渡請求について定めている。また、B会社法175条の決議を行っている。

このBの決議は、会社法175条2項によりB単独ですることができる。

そのため、XY2に対して株式の売渡を請求できる。

 

解答

設問(1

1会社法127条によれば、株主は株式を自由に譲渡することができるとされている。しかし、会社法10711号によれば、会社は定款の定めによって、譲渡制限付き株式を発行することができるとされている。

 本件事案において、X社は定款によって発行する株式の全部について譲渡制限を定めているため、X社は譲渡制限付き株式の会社の承諾を得ない譲渡について効力を否定することができる。

 次に、この譲渡制限によって効力を否定することのできる譲渡には、包括承継は含まれないと解されている。なぜなら、法文における譲渡は通常承継取得の方法による譲渡のことを指し、包括承継を含んでいないからである。

 本件事案において、Aは自身の株式を、管理する合同会社Cに保管させており、このC社の有するAの株式をY1社に吸収分割させることにより、Y1に取得させている。このような吸収分割による財産取得は、会社法包括承継に当たると解されているため、Y1包括承継による財産取得を行ったといえる。そのため、定款に定められた譲渡制限の規律に服さないため、Xは譲渡制限付株式であることを理由として株式の譲渡の効力を否定できない。

2.したがって、Xの請求は認められない。

設問(2

1会社法174条によれば、会社が定款に相続人等に対する株式の売渡の請求について規定することができることが規定されている。また、会社法175条によれば、売渡の決定を行うためには会社法3092項の特別決議を得なければならないと規定されている、

 本件事案において、X社は相続人等に対する売渡の請求をすることができる旨の定款の規定を定めているため、X社はAの相続人に対して株主総会の決議があれば、売渡の請求をすることができる。また、本件事案において、Bは単独で議決権を行使しているが、会社法17512号によれば、被相続人はの株式を有する者は株主総会に置いて議決権を行使することができないとされているため、BBのみで議決権を行使し、会社法1751項の決議をすることができる。

2.したがって、XY2に対してX株式をXに売り渡すよう請求することができる。

 

ポケット六法 平成31年版

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有斐閣判例六法 平成31年版

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